【堀 篤コラム】新たなステージに入った日経平均株価
公開期間:03月25日08:30〜03月25日08:30日経平均は、いよいよ新たな局面に突入した。この要因は、日銀のファインプレーにあると言ってよいだろう。 日銀は、先週の政策決定会合で金融緩和の終了を決定するにあたり、できるすべての事前対策を講じた。植田総裁の市場との対話力には舌を巻かざるをない。
19日の政策決定会合では、日銀はマイナス金利の解除とETF買い入れ終了、イールドカーブコントロールの廃止を決めた。普通、これだけ一度に緩和政策をやめてしまえば、総裁が口先で何と言おうと、市場は金融引き締めへの転換を体感し、ドル安、あるいは株安へと大きく反応する。しかし、日銀はこの会合に先んじて、前週金曜日のうちに、市場関係者に向け、大規模な緩和政策は実質上継続する、というメッセージを送った。これにより、日経平均先物は大きく上昇した。その具体的な対応が何であるかは翌週(つまり先週)の記者会見までわからなかったのだが、日銀は、6兆円という、国債買い入れ額の規模を変えない、という手を打った。簡単に言えば、表面的には緩和政策は終了するが、緩和維持のための実効策は変わらない、という建付けだ。
とはいえ、このような手が2度3度と続けられることは無い。黒田元総裁は、異次元的な金融緩和の手段はまだまだいくらでもある、という言葉で市場を安心させたが、金融引き締め局面にあって、市場を安心させる手段は、それほど多くはないだろう。つまり、今回はドル高・株高を継続することができたが、次回はわからない、ということだ。
次に金融政策に大きく注目されるのは、おそらく7月ごろだろう。夏休みに入る前のタイミングで、日銀は本格的な金融引き締めに入る可能性は高い。その時、円高に転換したときの株式市場をどうケアするか、これが本当の試練だろう。
42000円〜42600円程度が次の高値のメドとみられるが、資金はそろそろ個別銘柄に分散される可能性がある。4月から始まる3月決算銘柄の決算発表が始まるからだ。個人投資家にとっては、個別銘柄の情報が、宝の山になりそうだ。
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