日本株は、小型株にも注目を
公開期間:06月22日12:00〜11月30日00:00市場では、米国の金融引き締めのタイミングが取りざたされて久しい。
そして、そのたびに、この引き締めが好材料とされるときもあれば、悪材料と捉えられるときもある。
そういったことの繰り返しにより、市場で、米国の金融引き締めは織り込まれていくわけだが、米国ではいよいよ、金利上昇に強い相場が作られていく状況になってきたように思われる。
実際、私の知る米国系のファンドマネージャーは、利上げで株式市場全体が下落するのを待ち構えるため、いくつかの銘柄を売って現金化していたが、悩み始めている。
「本当に利上げで、株は下がるのだろうか?」
という一点に疑問点が出てきたのだ。
彼によると、ロイターなどの報道ベースでは、利上げ=景気回復と見て、景気敏感株が買われて始めていると言う。
景気敏感株は、金利上昇の局面で、強みを発揮する。
もし日本で同じ現象が起こるのであれば、やがて、金融緩和にストップがかかり、景気敏感株が買われることになる。
景気敏感株とは、業種でいえば、紙・パルプや鉄鋼、化学、といったところが代表的と言われる。
日銀の定例会見で、景気に強気の見方がされると、少し、そういった銘柄が買われる局面も出てきたようだ。
しかし、日本の景気が上向くには、まだ時間がかかる、と見る向きが多い。だからこそ、日米金利差が開くと読み、為替は円安に向かっているのだ。
だとすると、日本の景気敏感株の出番はもう少し先なのだろうか。
■日本株は小型株が有効な局面に
一方で、日本の株式市場に、一つ変化の潮流が出始めている。
それは、小型株に資金が向かっている、ということだ。
下に、TOPIXと、小型株指数の比較チャートを2種類、掲載してみた。
上のチャートを見ると、ここ1年間を通じて、TOPIXが小型株指数を上回って推移してきたことがわかる。特に、今年2月頃からの上昇ではそれが顕著だ。しかし、最近1か月のチャートからは、逆に小型株が、TOPIXを上回る動きをしていることがわかる。
つまり、日経平均採用銘柄、大型株、が高パフォーマンスを出してきた状況に、少し変化が見られるのだ。
■小型株狙いのETF
この傾向には、二つの要因が考えられる。
一つは、日経平均が下落する過程では、個人投資家が小型株を拾っていった、ということ。
もう一つは、機関投資家の資金が、すそ野を広げていることだ。
こういったことから、小型株を狙う戦略が、有効性を持ってきた可能性がある。日経平均などの代表指標が不調に陥ったときにでも、小型株が元気であることが、これからは多くなるだろう。
小型株で銘柄を挙げるとキリがないので、ここでは、より効果的なETFをいくつか挙げておこう。
特に、ラッセル野村小型(1312)、マザーズ・コア(1563)の値動きが期待できそうだ。
ラッセル野村小型コア・インデックス連動型ETF(1312)
上場インデックスファンドTOPIX Small日本小型株(1318)
上場インデックスファンド S&P日本新興株100(1314)
マザーズ・コア上場投信(1563)
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