【堀 篤コラム】まずは40000円を目指す日経平均
公開期間:02月26日08:30〜02月26日08:30短期的な調整を終えた東京市場は、まだ余力を残している。もちろん、大台乗せはスムースにいかない可能性も高いが、今の勢いなら、そう多くの時間を費やさずに、達成しそうな感がある。
先週の東京市場は、ほぼ見通し通りに調整を行ったが、その期間は短く、水曜日に38095円まで調整したものの、筆者が予定していた38000円割れまでには至らず、金曜日には早くもリバウンドに入り、そのリバウンドの初日で39000円を突破し、史上最高値を更新した。 この週までで、結局は米国・欧州ともに株価は史上最高値を更新し、世界同時株高の様相がさらに強まっている。特に先週の米国では、注目されたエヌビディアの決算が好調で、AIなどハイテク投資への安心感が高まった上、スペースXもからんだ月面着陸計画が成功し、科学界でも大きな盛り上がりを見せている。米国の産業界に自信が回復する様子は、確かに世界の株高に実態があるかのように思わせている。
この流れの中で、「ミニチキン」の投資家、つまり、少し弱腰の投資家が東京市場へ資金を集中させているようだ。なぜなら、東京市場は、まだ週末に史上最高値を更新したばかりであり、その意味で相場は「若い」。欧米の史上最高値を更新し続ける動きにはついていけなくても、東京市場なら・・・という動きは確かにある。東京市場でも、半導体や宇宙関連・AI関連の銘柄に動きが出るかもしれない。
このような、「急騰についていかない投資家」は大勢いる。しかも、著名投資会社であるバークシャーハザウェイが、その先鋒だと言っても良い。ウォーレン・バフェットが率いるこの投資会社の待機資金は、約25兆円にも上る。こういった構造の株式市場は強い。なぜなら、この大量の待機資金が、下落局面では下支えになるからだ。特に、東京市場のような上昇期間がそれほどまだ長くはない相場には、余裕が感じられる。 しかし、米国でも言われているように、AIにせよ宇宙関連にせよ、現在の技術が、「金になる」にはまだ多大な時間と資金を必要とする。つまり、今は「理想買い」の段階だと言える。理想買いが現実買いに転じるまでの間に、大きな調整があるのは市場の常だ。
投資家として短期的に今の相場に「乗る」ことも大事だが、大きな調整に向けて待機資金を積み上げておくこともまた、それ以上に重要な局面になってくるだろう。
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