コラム 今週は勝負の週に
公開期間:03月06日12:00〜11月30日00:00多くの人は、この3月6日からの週が、短期的に日経平均が上昇波動に乗れるかどうかの節目になると見ている。
3月10日のSQ、雇用統計、15日のFOMC、16,17日の日銀政策会合と続く日程は、日経平均が一度高値を抜けて見せた後だけに、非常に注目される。
米国の好調な経済指標の発表を受け、日経平均は、3月2日に、高値を抜けた。翌日、そこで開いた窓をとりあえず埋めたが、ここからすぐに出直って上昇すれば、テクニカル的には、美しい上昇波動が形成され、一定期間、安心できる相場が形成される。
果たしてそれが現実になるかどうか、この1〜2週間が、今後の市場展開にとっても、重要だということが言える。
まず、海外では3月10日に米国雇用統計の発表がある。しかし、すでに3月15日のFOMCでの米国利上げは、ほぼ確定事項と言ってよく、雇用統計は、その追認をする、という程度の数値であれば、材料にはならないだろう。
3月3日のFRBイエレン議長講演で、FRBは、15日の利上げについて、ほとんどの市場参加者に公約したようなものだからだ。
イエレン議長は、トランプ大統領就任以来、ホワイトハウスの不透明な政治運用の手法には「辟易と」している。少なくとも自らの金融政策運用は、市場に不要なシグナルを送り、それを裏切って混乱させるようなことはしないだろう。
雇用統計で、予想外の弱い数字が出るようなら、「まさか」の展開となる可能性も0ではないが、その可能性はかなり低い。
■利上げと市場動向
では、FOMCで利上げが決定すれば、ドルは上昇するだろうか?
たぶん、そうはならないだろう。
このあたりの展開まではすでに市場は織り込み済みと思われる。
15日にFRBが利上げを発表しても、まず、為替市場に変化は無い、ということだ。FOMCの利上げ期待で、これから米ドルを買うのは、危険な賭けだろう。
ただし、サプライズが起きる可能性もある。
それは、雇用統計の数字が非常に強かった場合に、FOMCで「市場予想を上回る何か」が発表されるケースだ。
その「市場予想を上回る何か」とは、「年内の利上げ回数」を巡るサプライズが考えられる。
市場のコンセンサスとしては、年内は、3月以降、9月12月という3回の利上げが予想されている。しかし、イエレン議長が6月にも利上げを行うような示唆をすれば、市場にはサプライズとなる。
この場合、ドルは上昇するだろう。
一方、東京市場には上昇の潜在力が徐々に蓄積されている。
この潜在力は、おそらく、ドル高であろうがなかろうが、どこかで噴出するだろう。しかし、15日以降に、FRBが予想を上回る利上げペースを示唆するのではないか、という想定が徐々に市場に浸透するようなら、ドルが上昇し、それに伴う日経平均株価の上昇も考えられる。
一方、サプライズがなく、FOMCが普通に利上げだけした場合には、ドルは一旦下落する可能性が高いだろう。しかし、東京市場は底堅い動きをするのではないか。
短期的なドル高が起きれば、そこを起点に日経平均は20000円を目指すだろう。
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