コラム 北朝鮮が市場の注目に
公開期間:09月14日10:15〜11月30日00:00この見方を1週間で変えたわけではないが、先週末のNY市場の下落は、9月にFRBが利上げを決める、という見方が強まった為だ。
おさらいをしておくが、米国利上げのタイミングでは株価は一度下落する。しかし、そのあとは新興国経済の状況を見ながら、株価は再び上がり始めるだろう。
そういう意味では、何も市場は変わっていない。その動きがいつ出るのか、を見ているだけだからだ。
ただし、この1週間で出た、注目すべき新たな動きというものがある。
それは、北朝鮮の動きが市場に影響を与えるほど顕著になってきた、ということだ。
北朝鮮は、これまでも再三、国際社会に対して挑戦的な態度をとってきた。しかし、なぜここへきて、市場は北朝鮮を警戒し始めたのだろうか。それには、二つの事が影響をしている。
一つには、北朝鮮の軍事技術が想定以上に向上しており、本当に脅威となる可能性が出てきたこと。
もう一つは、北朝鮮離れしてきたと言われていた中国が、ここへきて、北朝鮮寄りに態度を変えていること。
この二つが、市場に脅威を感じさせ始めている。
中国は、ASEAN各国などからその経済力を背景に、大きな反対が出てこないのを良いことに、対米日の政策を硬化している。そこで中国は再度、北朝鮮というカードを手中に持っておきたくなったのかもしれない。
このことは、日本経済や国際金融市場の情勢に大きな影響を与える。
今後、東アジアを舞台に、政治経済の米中対立が明白になっていくかもしれないからだ。
特にその場合、これまでのように、「有事の円買い」=リスクオフ、といった展開が続くのか、に注目がいく。なぜなら、円は中国リスクに対して地政学的に感応度が大きい通貨であるはずだからだ。
まさに、いま、丸の内の機関投資家たちが研究を進めているテーマの一つはそれだ。
朝鮮有事、南シナ海有事の場合、円は買われるのか売られるのか・・・?
トラブル・・・リスクオフの円高・・・株価下落
という一連のパターンにもそろそろ変化の兆しが現れるのかもしれない。
円と日本株が同時に売られ、円安株安、あるいはその逆で円高株高、という現象が同時に起こるようになるかもしれない。
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