日経平均は16500円が下値メドに
公開期間:01月18日12:00〜11月30日00:00年初から下値メドを探る話になる。
まず、去年の下値、16901円は、このコラムが出る頃にはすでに下に割れているだろう。
1月14日の下落で、この水準を割りこまず、16944円から戻ったことで、一旦安心感があっただけに、この下落は後を引きそうだ。
また、その要因が、「イラン制裁の解除による原油価格下落の長期化」という人為的なものであることも、世界の投資家を失望させた。
次のめどは、日経平均で16534円。
この価格は、2014年10月31日の高値。日銀黒田総裁の第二弾異次元緩和策が発表され、GPIFが運用方針の変更を公表した、その日だ。
日経平均は、この日、775円高を演じた。
もう忘れている人も多いだろうが、実はこの翌日の安値は16720円で、ここで小さな窓が開いており、この窓は、それ以来、埋まっていない。
新しい悪材料が無ければ、日経平均の下落はこの窓を埋めた位置で、止まる確率が高い。多少のオーバーシュートを含め、16400円〜500円が下値ゾーンだ。
週明け月曜はNY市場が休場、火曜日には中国の2015年GDPが発表される。東京市場を主戦場とする攻防戦が、この2日間で繰り広げられる。ここで、当面の下値メドがつくかどうかも決まってくるだろう。
もし、ここで止まらない、という場合は、下値のメドはさらに1000円程度下までいく可能性がある。
当局は、信託銀行を通じて、年初からそれなりの買い支えをしている。しかし、今のところ、ただ売り側の良い餌食になっているだけで、売りサイドからすると、逆に「安心して売れる」状態になっている。これが、公的資金の限界だ。
公的資金で本気で介入するなら、16500円で強力なバスケット買いを用意することだ。「黒田総裁の異次元緩和政策が、株価と日本経済に好影響を与えた」という実績を明確に残すためにも、異次元緩和第二弾発表時の株価を割ってしまっては、格好がつかないだろう。
■ 指数はボックスを見極め、個別では中小型株の研究を
東京市場には、実際には二つの選択肢がある。
原油価格の下落が、海外投資家の運用資産の収縮を通じて、東京市場も大きく下落する、というあり方と、原油価格の下落は、日本企業の業績を後押しし、株価を押し上げる、というあり方だ。
しかし、現在のような世界的な金融的相場の中では、原油価格の下落は東京株式市場にも下落、という答えを持ってくるだろう。サウジ通貨庁が関与すると言われるファンド名義、サジャップやジュニパーが、大量保有リストから減少しつつあることが、それを如実に表している。
日本企業の業績は、とりあえずさておき、金融的な事情での需給悪化という経過を、株式市場は通過することになる。
原油安のメリットが、日本の株式に反映されるようになるには、今年半ばまで待つ必要がある。
それは、政治的な「談合」による原油価格のコントロールにより、とりあえず、金融的事情による株式市場での換金売りが終息するのを待つからだ。
5月1日、2日のG7エネルギー相会議、6月1日のOPEC総会、ここが狙いどころだろう。
今回の原油安が、原油の供給過多にあることは疑いようがない。シェールオイルをはじめ、米国産原油が、ロシア、エジプトの産油量に追いつきつつある状況の中、シェアを失うわけにいかない産油国同士、自ら減産する、という選択肢はありえない、という状況になっている。そこへ、イランの経済制裁解除による、イラン産原油の市場への投入により、原油価格には一段と下落圧力がかかっている。
この原油価格問題に、光が射せば、再び大型株の指数相場が始まる。
とはいえ、それは大きな上昇トレンドではなく、ボックス圏の動きになるだろう。
投資家は、そのようなボックスを見極めて指数を売買すること、そして、次に来る業績中心の小型株相場に備えることが大事になる。
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